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2008.04.11

徳山藩の「上着」に関する統制

《読書案内》《総合目次》

部落学序説付論 百姓の目から見た渋染・藍染
(54)徳山藩の「上着」に関する統制・・・

近世幕藩体制下の長州藩の支藩・徳山藩の『衣類定』を図式化してみました。徳山藩の『衣類定』、一見したところでは、適当に箇条を羅列しているように見えますが、<法>として解釈しはじめると、考えに考え抜かれた、衣類に関する体系的な法であることが明らかになってきます。

筆者、無学歴・無資格、しかも歴史学だけでなく法学においても門外漢ですので、筆者の<法>解釈、極めてこころもとないものがありますが、今回、徳山藩の『衣類定』全14箇条(第1~13は、武士身分、第14条は、百姓・町人身分の衣類統制の法令)を、「上着」・「帯襟等」・「下着」・「夏衣類」・「礼服」・「合羽」別に、武士33階級と百姓町人の階級別(身分別)衣類統制の内容を図式化してみました。

区分 身分 武士 百姓 区分
  家老 新調・有合共に木綿着物の強制 新調・有合共に木綿着物の強制 準格の百姓町人
用人
一般士分 馬廻 準格の百姓町人
馬廻
中小姓
茶道 準格の百姓町人
祐筆
膳部
別当
徒士 準格の百姓町人
陣僧 名字家名持候百姓
持弓
蔵本付
細工人
船手
小膳部
中間足軽以下 検断 百姓
足軽
足軽組外
中間
中間組外
猟方
時方
舸子
厩之者
煮方之者
飯炊之者
諸細工人
小人
挟箱之者
傘之者
駕籠之者
道具之者
荒仕子

元禄期の徳山藩においては、「上着」(通りを歩いていて一番目につく衣類・・・)は、武士身分・百姓町人身分共に、「木綿着物可着之事」と定められています。しかも、「家中面々大小身共・・・」ということですから、藩主をのぞくすべての人は、木綿の「上着」を着用しなければなりません。徳山藩の要職である家老・用人から、武士階級の最下層(「徳山藩士卒階級表」に準拠。この階級表には穢多非人は含まれていない)まで、「上着」は一律、「木綿着物」とされていますので、<平等>的側面がみられます。

そういう意味では、徳山藩の『衣類定』の衣類統制令・・・、「身分統制令」なのか、「倹約令」なのか、速断することはできません。

とりあえず、筆者が作成した、徳山藩の『衣類定』を「上着」・「帯襟等」・「下着」・「夏衣類」・「礼服」・「合羽」別、「武士」・「百姓町人」別に図式化したものを順次紹介させていただくことにしましょう。

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